2種類のハチが産卵のために飛来
2024年9月、都立善福寺公園の敷地内に設置された「虫のホテル」。5月に入りアナバチ系のハチとオオフタオビドロバチの飛来を確認することができました。アナバチ系のハチはすでにあるていど産卵を済ませていて、直径3㎜ほどの10数個の穴が土で蓋をされています。
オオフタオビドロバチはいままさに産卵を始めたところで、数カ月後に孵化する幼虫のエサとなる獲物を巣穴に運び込むようすが見られました。



市民と行政の協働によって守られる地域の自然
「虫のホテル」を設置したのは都立善福寺公園の「野生生物保護区」で20年前から活動している自然愛護会杉並の方々です。弊会(養蜂文化情報ネットワーク)が2024年7月に行ったビーハウス用の丸太の配布会で丸太を引き取り「虫のホテル」と名づけて設置しました。

これは事実上のビーハウスが都立の公園内に置かれている画期的な事例です。ビーハウスに来るハチが人を刺すことはまずありません。しかし「ハチは怖い」というイメージが強いため大方の公園でビーハウスの設置は敬遠されます。
都立善福寺公園においては、自然愛護会杉並の方々の動植物への理解と長年の活動実績によって得られた信頼が、ハチたちの生活を支える新たな活動への道を拓いたといえます。
弊会としてもハチたちの飛来から産卵、そして羽化といった経過を観察するとともに継続的に情報を発信し、ビーハウスの普及を後押ししていきたいと思います。
