レッドブル・リンクでの2週連戦となった第2戦F1シュタイアーマルクGPで、レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンが3位表彰台に登壇。ホンダのF1エンジン搭載車は、4台中3台がポイントを獲得した。
レッドブル・ホンダF1は、フェルスタッペンが2番手、アレクサンダー・アルボンが6番手からのスタート。アルボンはターン1で順位を落としたものの、エステバン・オコン(ルノー)、カルロス・サインツ(マクラーレン)をオーバーテイクして4番手を守る。
マックス・フェルスタッペンは、首位を行くルイス・ハミルトン(メルセデス)に食らいつきながらレースを進めると、24周目にメルセデス勢よりも早くピットイン。ミディアムタイヤに交換し、バルテリ・ボッタスの後方でレースに復帰し、逆転を阻むべくペースを上げる。
アレクサンダー・アルボンは、フェルスタッペンと同様にソフトタイヤでのスタートだったが、36周目までピットインを引っ張る。ミディアムタイヤに履き替えて4番手でコースへ復帰すると、後方にセルジオ・ペレス(レーシングポイント)を従えてレースを進める。
アルファタウリ・ホンダF1のピエール・ガスリーは、7番手から好スタートを決めてポイント圏内を走行していたが、フェルスタッペンと同じ24周目にピットインしてハードタイヤに交換。しかし、ここからペースに苦しみ、再度ピットストップを行ったことでポイント圏外へと後退してしまった。
レースが終盤に差し掛かる頃、マックス・フェルスタッペンはフロントウイングにダメージを負う。後方から迫ってくるボッタスに一度はオーバーテイクを許すものの、ターン4で抜き返す見事なドライビングを披露。しかし、DRSを使って攻めてくるボッタスに対して、66周目でポジションを明け渡すこととなる。
マックス・フェルスタッペンは3番手を守りきり、今季初の表彰台フィニッシュ。アルボンは、ペレスにDRS圏内に入られると、レース最終盤まで執拗にアタックを受けるが、ポジションをしっかりと守る。最終ラップを目前に接触されたものの、そのまま4位でフィニッシュし、レッドブル・ホンダF1は、合計27ポイントを獲得した。
アルファタウリ・ホンダF1のダニール・クビアトは、ミディアムタイヤでスタート後、ハードタイヤに交換してフィニッシュ。安定したペースで10位完走を果たし、チームに2戦連続のポイント獲得をもたらした。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「先週に続きレッドブル・リンクで開催された本日の第2戦に向けては、特に開幕戦でのAston Martin Red Bull Racingの2台のマシンのリタイア原因の解析および対策を、短い時間の中でチームと共に進めてきました。また、先週のレースデータを解析して、少しでも戦闘力を上げるべくセッティングの最適化も進めてきました。その中で迎えた本日のレースでは大きな問題は発生せず、Honda PUを搭載した4台のマシンが完走を果たしました。 特に、Aston Martin Red Bull Racingのフェルスタッペン選手が今シーズン初となる3位表彰台を獲得したという結果はよかったと考えています。また、7番グリッドからスタートしたアルボン選手も粘りの走りで4位、Scuderia AlphaTauri Hondaのクビアト選手が10位入賞と、それぞれポイントを獲得できたことも前向きにとらえています。ガスリー選手については7番グリッドといういいポジションでスタートし、レース序盤のペースもよかったものの、その後はマシンダメージによる影響でポジションを落とし、15位フィニッシュという残念なレースになりました。次のレースに期待したいと思います。 来週末にはサーキットを変えてハンガリーでのレースが待っています。暑くなる予報も出ているようなので、クーリング設定なども含めて十分に対応を考えて臨みたいと思います」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ/3位)
「今日は表彰台獲得を果たすことができました。もちろん、また表彰台に上がれたことはよかったのですが、優勝争いをするにはまだ速さが及ばないということでもあります。今日は可能な限りプッシュし、ルイス(ハミルトン)についていこうと全力を振り絞りましたが、叶いませんでした。まだ課題は多く、改善に向けてできる限り推し進めていかなければなりません。みんながどれだけ懸命に取り組んでいるか、僕は分かっています。僕にとって、今日は、バルテリ(ボッタス)とのバトル以外、最高にエキサイティングなレースとは言えません。あのとき僕のタイヤはほぼ終わりかけていて、パスされるだろうとは思いましたが、簡単には行かせまいとアウト側から抜き返しました。後続との差は大きく、僕に失うものはなかったので、リスクもありませんでした。3位はいい結果ですが、望んだ位置はもっと上であり、毎週優勝争いをしたいと思っています。次のハンガリーは、僕らにとっていい展開になればと考えています。ストレートは少なく、チャンスは増えそうですし、今日よりも気温が上がりそうです。チーム全員で少し休息を取り、次週に向けてリセットしていきます」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ/4位)
「先週のレース結果を考えると、今日はレース内容もよかったですし、4位に入賞してチームのためにポイントを獲得できたこともよかったです。 自分が思っていたよりも後ろの方でレースを展開することになり、レースペース自体もあまりよくありませんでした。ただ、先週よりはマシンをよく理解できていますし、どこを改善していけばいいのかも分かっています。ロングストレートや決まったタイプのコーナーでは苦しみがちで、マックスも僕も改善が必要だと考えている部分は同じです。 今日はレース終盤でペレス選手が非常に速く、最終ラップのターン4では抜きにかかられましたが、十分に彼の分のスペースは開けていました。彼が少し膨らんだので接触しましたが、大きなクラッシュにはなりませんでした。ハードなレースの一シーンという感じだったと思います。ハンガリーまで1週間ということで、ここからできることをやっていきますが、メルセデスは非常に強いので勝つのは難しいかもしれません。ただ、僕たちもプッシュを続けていきます」
ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ/10位)
「金曜、土曜と苦戦を強いられただけに、今日は素晴らしいレースができたと言えます。先週のレースに比べてリタイアしたマシンが少なかったにもかかわらず、きちんと仕事をして1ポイント獲得を果たすことができたので、うれしいです。すべて計画通りに進みました。アタックを受けることも多かったのですが、しっかりとポジションを守り、レース終盤にかけては後続との差を広げることもできました。ここからはまた来週末に迫っているハンガリーに向けて切り替えなければいけません」
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ/15位)
「昨日の予選がよかっただけに、今日の結果にはがっかりしています。いいグリッドだったので、好結果を期待しましたが、スタートからつまずきました。ターン1でダニエル(リカルド)に接触されてスピンしそうになったのです。その後もかなり厳しい状況が続き、リアの感触が少しおかしかったです。2ストップ作戦なども試してみましたが、ペースが上がりませんでした」